・レースの序盤、9人の選手の他に、紫色のユニフォームを着た人が先頭を走っています。
これは「先頭誘導員(せんとうゆうどういん)」といい、他の選手たちの「風よけ」の役目を
します。先頭誘導員は車券の対象になりません。
・もしこの先頭誘導員がいなければ、代わりに先頭を走らされる選手は風圧をモロに
受けて、バテてしまいます。ケイリン選手にとって「風」は最大の敵なのです。
・先頭誘導員は、残り1周半くらいになるまで先導をつとめたあと、
走路の内側に待避します。
残り1周半「打鐘(ジャン)」が鳴る!
・ゴールまで残り1周半の時点で「カーン・カーン」という鐘の音が鳴り響きます。
そう、これがケイリン名物の打鐘(だしょう)、いわゆる「ジャン」です。
・ジャンが鳴ると、今までたんたんと一列で周回していた選手たちが、隊列をくずして
一気にスピードアップ。
観客のボルテージも上昇し、スタンドはどよめきはじめます。
抜きつ 抜かれつ 肉弾戦
・ジャンからゴールまでの勝負が、ケイリンで一番の見どころ。抜かれたら抜き返し、
ときには体や頭をぶつけ合ったり。このレースの激しさが、ケイリンは「格闘技」だと言われる
ゆえんです。一度、生でご覧になってください。鳥肌がたつくらい凄い迫力ですよ。
ゴール! 1/100秒を競うクライマックス
・さぁ、いよいよ最終コーナーを回って、ゴールまで一直線。
選手は歯を食いしばってのラストスパート。「それーッ」「行けーッ」と歓声も最高潮です。
・ゴールラインでのデッドヒートはまさに圧巻。「どわッ」という
独特の歓声とともに、選手たちがドッとなだれ込んできます。誰が何着なのか、肉眼では
判別がつきません。1/100秒差(1p程度)の接戦なんて毎度のことなのです。
レース終了。当たれば天国
・レースは終了。ほどなく審判員から着順の決定放送があります。
・「けってぇー。いっちゃーく、イ・チ・ばん…にちゃーく、フ・タ・ばん……」
ちょっと風変わりな言い回しで放送があり、
電光掲示板にもゴールした順番と、
配当金額が映し出されます。さぁ、配当金をもらいに、払戻所へ直行しましょう!
いかがですか? 静から動へ、そして最後にクライマックスをむかえる。これが
ケイリンの醍醐味。スリル満点、こんなに面白い競技は他にありません。
それでは今度は、実際にレースの展開を推理して、車券を買ってみましょう。
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